多臓器障害 / まとめ
アルコールが引き起こす多臓器障害
Ⅰ) アルコールが直接作用するもの(薬理作用による障害)
Ⅱ) 栄養不良によるもの(食事量、下痢などの胃腸障害に伴うビタミンやタンパク質の不足)
Ⅱ) 栄養不良によるもの(食事量、下痢などの胃腸障害に伴うビタミンやタンパク質の不足)
アルコールによって障害を受ける主な臓器※()内は症状
- 肝臓
- 脂肪肝 → アルコール性肝炎(倦怠感) → 肝硬変(黄疸、腹水、脾腫・血球減少、手掌紅斑、クモ状血管腫、胃食道静脈瘤、肝性脳症)
- ウイルス性肝炎(B型肝炎、C型肝炎)の増悪
- 肝癌の発生促進 (すでに癌があった場合、増悪しやすくい)
- 膵臓(すい臓)
- アルコール性急性・慢性膵炎(激しい心窩部・背部痛、重症化すると死亡することも)
- 糖尿病 → 網膜症(失明)、末梢神経障害(手足のしびれ・痛み)、腎症(透析導入)
- 胃腸
- 胃炎(心窩部痛)潰瘍ができることもある。また、粘膜の刺激等により、食道癌や胃癌が発生することも。
- マロリーワイス症候群(吐血)飲酒や嘔吐を繰り返していると、突然粘膜が裂けて出血。
- 胃食道静脈瘤(吐血)肝臓での血流が悪くなり、行き場のなくなった血液が、胃や食道の小さな静脈に流れ込み、血管が腫れてきます。(破裂すると大出血、緊急性高い)
- 胃炎(心窩部痛)
- 心臓
- アルコール性心筋症(心肥大 → 息切れ・動悸 → 心不全)
- 心筋梗塞などのリスクも上昇 → 突然死
- 脳
- 脳萎縮(ろれつが回らない、歩行困難、人格変化など→人間的な生活が困難に)
- ウエルニッケ脳症(ビタミンB₁欠乏)
↓
- コルサコフ精神病
- ① 物忘れ(記銘力障害)
② 時間場所人物がわからなくなる(見当識障害)
③ その場しのぎで作り話やウソを言う(作話)
- ペラグラ(ニコチン酸欠乏 → せん妄、皮膚炎、下痢)
- 脳血管障害のリスクも上昇(脳梗塞、脳内出血など)
- 神経、骨、筋
- アルコール性神経障害(手足のビリビリ)・筋肉障害(筋痛、筋肉減少)
- 骨粗粗鬆症(骨折しやすくなる)
- 大腿骨頭壊死(痛み、歩行困難)
- 生殖器
- 胎児性アルコール症候群
- 男性不妊(インポテンツ、精子減少)
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